大きな岩山の崖を背にして　ビストゥーンの遺跡があります。
ゾロアスター教の神殿は　泉のそばに造られているそうで
池も当時からあったのでしょうが　きれいに整備され過ぎているように見えました。

岩山の裾に刻まれている男の像は　ヘラクレスです。
ガラスの器を持って　ライオンのレリーフの上に寝そべっているのです。
顔の後ろの四角い部分に　碑文が刻まれています。

崖に彫ってあるのは紀元前後のパルティア時代のもので　
屋根型の中に碑文が書かれています。
その左右には　かなり崩れていますが　レリーフが彫られています。

ビストゥーンで最も貴重なものは　赤錆びた足場に隠れていました。
アケメネス朝　ダレイオス１世の捕虜引見の場面を描いたレリーフです。
このところ修復工事は中断状態のようです。

碑文のレリーフと　ダレイオス１世のレリーフは
このような位置関係になっています。

それにしても　岩山の裾を巡る階段は
大きな岩をきれいに組み上げてあります。　
当時のものなのか　修復したものかは聞きませんでしたが。

足場が無ければ　こんなものが見えていたのです。　残念！

町中に戻り　岩山に近い白亜の立派なJAMSIDホテルで昼食です。
ターク・イ・ブスタンは　見えている岩山の麓にあります。

ホテル前の広い通りの中央が　公園になっていました。

ササン朝時代の遺跡。　泉の近くに神殿を作るのが　
ゾロアスター教のやりかたです。 池の畔の岩山に　大小の洞窟（アーチ）が
並んで彫ってあります。左手の岩山から湧き出た
かなりの水量の流れが　池に流れ込んでいました。

小さな洞窟（アーチ）は　４世紀の王　シャープール３世が造ったもの。
大きな洞窟（アーチ）は６〜７世紀の王　ホスロー２世によって造られました。

大小のアーチの　右手には　王と約束の神のレリーフが彫られています。
描かれているのは　アルダシール２世とシャープール３世で
神から　王のしるしを受け取り　次の王に引き継いでいる絵柄です。
神の下には蓮の花があり　２人の王はうつ伏せた人を踏みつけています。

大きな洞窟は
高さ９．２ｍあります。
奥に描かれているのは
右がゾロアスターの神
アフラ・マズダーです。
中央の左手で
剣を持っているのが
２３代の王　ホスロー２世で
左はアナーヒター女神
ということでした。
下の槍を担いだ騎馬像も
ホスロー２世でしょうか。

大アーチの左側面には　彩色の残ったレリーフがありました。
１８世紀に彫られたものということです。

大きなアーチの外側には　女神のレリーフがあります。

小さなアーチの中に彫られているのは
１１代の王　シャプール２世（右）と　１２代の王　シャプール３世です。
２人は親子です。　シャプール２世は　ローマと戦った王です。
王の左右の三角の中には　古代ペルシャ文字で碑文が彫られています。

ケルマンシャーの町中を離れると　景色は急に田園風景になります。
地図では茶色くなった地域ですが　緑が案外多いのです。

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