総集編

中国・貴州省の旅から

2016/04の旅

苗族　芭沙村


中国の少数民族の多くが　貴州省に住んでいます。
貴州省南東部の　広西チワン族自治区に近い　従江の町からほど近い
山深いところに　「芭沙」　という苗族の村があります。

芭沙村は　山の斜面にいくつかの集落があります。
木造・黒瓦の住まいです。


１０年前に
訪れた時には無かった　
チケット売り場が村の入口に
作られていました。
鳥居のような門
（景区大門）が道路を跨いで
作ってあります。


チケット売り場で待っていると　準備が整ったタイミングで
芭沙の娘さんが観光客を迎えに来ます。

村に向かう尾根道が作られていて　
屋根の下に　大きな樟の切り株が置いてありました。
「敬献毛主席香樟木記念亭」　と看板に書いてあります。
男のあいさつ風のあと　数発の鉄砲の発射音が耳をつき刺しました。


道路脇の家の前で
おばあちゃんが
植物繊維を紡ぐ
作業をしているようでした。
光沢のある布を使った服は
芭沙の民族衣装です。
侗族が使っている
素材と似ています。

芭沙の男性は
頭のてっぺんの髪だけを残す
辮髪をしています。
太い鉢巻も特長です。
この男性は芦笙を
担いでいますが
芭沙村の男は
銃の所持を許されていて
鉄砲を持った男もいます。

 


林の中に造られた　円形の木の舞台で　歓迎会と称する
観光客向けの芭沙苗族のショーが始まりました。
腹掛けのような衣装が　カラフルできれいです。
人により　彩りが違っています。

登場するのは　若い娘さんばかりです。
楽しそうな笑顔が　はじけていました。

金太郎の腹掛けのようなもの　脚絆　など
落ち着いた色合いの　とてもおしゃれな衣装です。


女性たちが
太い笛を吹きます。

観光開発により
芭沙のショーは
少女たちの仕事にも
なっているのでしょう。
村にお金が落ちることで
暮らしぶりが良くなることは
いいことですが・・・


踊りがひとつ終わるたびに　女性たちは　舞台周りのベンチに戻り　
時間を惜しむかのように　刺繍を始めます。

手にしているものは　リボンの刺繍など小さなもので
手芸作品的には大したものではなさそうでした。
これも　芭沙村のショーの　演出かもしれないとも思いました。

刺繍をしている人の隣では　同じようなスタイルで
スマホを見ているのです。　少数民族も　時代の流れの中にいます。
民族衣装を着ていない日常の彼女たちは　どんな姿なのか
ちょっと見てみたい気もします。

若いからでしょうか　屈託のない笑顔がこぼれます。
観光客に見られているという緊張感は　少しもありません。


この写真は２００６年に　芭沙村を訪れた時のショットです。
観光化されたおかげで　少女たちの衣装や髪飾りが
だいぶ派手になっているように見えました。


芦笙を吹き　銃を持って踊り　男たちの出番もかなりありました。


辮髪の手入れの実演。
踊りとあわせて
芭沙村を紹介する
パフォーマンスに
仕上げているようです。


踊りなどのイベントに時間を取られて
村の中をゆっくり散策する時間は　あまり取れませんでした。
通りに面した家並みです。

１０年前には　踊りを見せるようなこともなく
静かな人の気配の少ない村の中を　散策しただけでした。
若い女性たちの華やぎとは　まるで違う静けさがまだ残っていました。
個々の家屋は　当時と変わってはいないようです。


芭沙村の集落は
ほとんど山の斜面に
作られています。
急な階段を下った所にも
民家があります。
左手の家は
吊脚式になってます。

 


少年は紫色に咲いた　桐の枝を担いでいます。
何に使うのでしょう。


これが芭沙の
日常の姿なのでしょう。
野菜籠を天秤で
担いでいます。

村の観光が
ショー化してしまい
村の人々の生活を
垣間見ることが
出来なくなるのでしょう。

ご鑑賞ありがとうございました。


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