総集編 ６

ノルウエーの旅から

１９９５年７月の旅

フィヨルド

下に見えているのが

ガイランゲルの町、

１０００メートル近い
山の上から

海抜０メートルへ一気に

下っていきます。

鏡のような水面は

湖ではなく入り江です。

海の出口までは

１００キロ以上あります。

翌朝早く　フェリーに

乗船しました。

フィヨルドの湖面は

油を流したように
滑らかでした。

船のエンジン音さえ
忘れさせる静けさを
感じます。

ガイランゲルフィヨルドの

切り立つ岩肌をなめて

滝のように幾筋もの

沢が落ちできます。

七人姉妹と名のついた

滝だったと思います。

濡れた岩肌が朝日に
輝いて美しく見えます。

前夜遅くまで雨が

降っていたのですが、

一夜あけると

天気は上々でした。

朝の陽射しに岩壁が
輝きます。

波の無い水面は

岩壁と青い空を
写しこみます。

雨が上がりのせいで

雲が湧き　

急な山の斜面を

駆け上っていきます。

同じような風景の中を

走りますが飽きることは

ありません。

雲は一定の高さで停滞して　山の峰を隠します。

それにしても漁船のようなものはまるで見かけません。

切り立った岩壁が途切れた　ちょっとした斜面を選んで　

何軒かの家とわずかな緑の畑や牧草地らしきものがあります。

ガイランゲルの町からバスごとフェリーに乗り込んで約１時間、

ヘルシルトという小さな町で降りました。

バスは山の斜面を登り、ブリクスダール氷河に向かいます。

ガイランゲルフィヨルドから

いくつかの山を越えて

ゾグネフィヨルドに
向うのですが

途中に　ブリクスダル氷河

という見所があります。

馬車に揺られて

きつい坂道を登ります。

馬車を降りて
沢に沿って歩き出すと

氷河が間近に
迫ってきます。

周囲の岩は水分を含んで

黒く光っています。

近くで見る氷河は青く透き通っていて　なかなかの迫力があります。

ゾグネフィヨルドの中ほどにバーレストランという小さな町があります。

町の大きさに不似合いな立派なホテルに１泊しました。

ホテルの窓から見えるのは、波もなく、通る船もなく、

音のない、時間まで止まっているような穏やかな風景でした。

ゾグネフィヨルドの最奥の町フロムへ向かう定期船が

到着する１１時ごろまで何もすることがありません。

ゾグネフィヨルドでは　バーレストランからフロムまで

高速船に乗りました。　両岸には氷河に削り取られた

剥き出しの岩肌とＵ字の谷がはっきりと見えています。

両岸は

切り立つ断崖ばかりです。

船から見る限り

海岸沿いに道路の
ようなものは

見当たりません。

切り立つ岩壁を背負った

わずかな場所を選んで

家並みがあります。

高速船はそうした町に

いくつか立寄って

フロムをめざします。

氷河が削り取ったＵ字の谷の地形がよく分ります。

ゾグネフィヨルドは先へ行くと、幾つにも枝分かれしています。

そのひとつの入り江の最奥にフロムがあります。

民家らしいものは見当たらず、観光のためにだけある町のようです。

フロム鉄道は本線の駅があるミュルダールまで

高度差９００メートルを１時間かけて登ります。

(１９９５年当時の列車です）

ノルウェー表紙へ戻る

前のノルウェーを見る

次のノルウェーを見る