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13 <遺産>

ポルトガルもスペインも世界史の主役であったのは

４００年以上前のことです。コロンブスやマゼランや
バスコダガマの大航海時代がその始まりで、１００年ほど
繁栄の時代は続きます。私たちが観光で見てくるものの
ほとんどがそうした華やかな時代の遺産です。いってみれば、
世界から金が集まってきたバブルの時代だったのでしょう。
その金を惜しげもなく、教会や王宮などの建物に
注ぎ込んだおかげで、世界史の主役をおりた今でも世界から
観光客が集まって来て、人の暮らしを潤わせています。
今、３００年先に何を残せるのでしょうか。

14 <ツアー客>

ツアーも４日目ぐらいになると、それぞれに人柄が
見えてきて、バスの中でも，食事の時間でも話しが
はずんできます。ご夫婦の組み合わせも覚えてきます。
気の合う人が集まり始め、写真を撮り合うことにも遠慮が
なくなってきます。空港で初めて顔を会わせたはずなのに、
やけに親しい言葉遣いになっていたりもします。
そうなると旅は和やかで、より思い出深いものになります。
旅の終わりに、添乗員さんが薄っすら涙を浮かべて、
「今回は楽しかったです」などと挨拶されると、参加者として、
なにかいいことをしたような気分になるのです。

15 <思い出>

旅行での写真を見て、その町でのできごとを思い出したり、

街並みを思い浮かべ懐かしんだりします。しかし、
思い出というのは、誰かと語り合って初めて「思い出」に
なるのだろうなと思います。旅先でのできごとを、
行ったことのない人に話しても、あっさり聞き流されて
しまうのが落ちです。楽しかったことはもちろんですが、
食事のまずかったこと、ショッピングでの失敗談も、
一緒に体験したことを笑ってくれる人がいれば、

すべてを楽しい思い出に変えてくれるように思うのです。

その点、私のような一人旅には少々問題が残ります。

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