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4 <三脚>

写真マニアの方はツアーにも大きな三脚をかついでくる人が
多いですね。でも、私は、三脚を持っていませんし、
持って行く気もありません。そのかわり、人より、
１歩でも先を歩いたり、ちょっとでも高いところに登ったり、

ちょこちょこ動き回り、もっぱらフットワークで写真を
写しています。前だけを見て歩くのではなく、上を見上げたり、
左右を見まわしたり、突然、後ろを振り向いたり、
いつも忙しく首をまわし、目を動かしています。

案外、ふと後ろを振り向いたときに、はっとするような
いいアングルを見つけたりするのです。

5 <ツキ>

何回もツェルマットへ行っていながら、
マッターホルンの全容を見たことがないという人がいます。
旅先で見る風景は、それこそ、天気とのめぐり合わせで、
かなり偶然に頼っているところがあるのです。

幸い、私はオーストリアのグロースグロックナーを
雨で見そこなったぐらいで、ほかは何とか見たいものは
見てきたように思います。考えてみればかなりの確率です。
旅の天気にはついているようです。街での雨は、雨なりに
楽しむことができるのですが、山の雨は困ってしまいます。

風景がすっぽり霧に包まれていては写真になりません。

6 <老夫婦>

私の選ぶツアーは、時期とか、日程とかの都合でしょうか、

年配のご夫婦とご一緒することが多いのです。それとなく
観察してしまうのですが、長い人生の旅を続けてきたお二人だけに、
そのありようも、それぞれに違ったスタイルがあるようですし、
見ていても心地よいカップルぶりです。なにより、二人揃って
海外へ出かけられる健康は宝物ですし、旅という共通の
楽しみを持っていることが円満の秘訣かもしれません。

それにしても、旅を続けている人は若いです。実年齢を聞いて
驚きます。旅には歳を忘れさせる効用があるのでしょうか。

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