トビリシの南　アララト山を背景にしたところに　ホルヴィラップ修道院があります。
３世紀　アルメニアでキリスト教の布教していた　グレゴリオスは捕らわれ
13年もの間　ここにあった地下牢に閉じ込められていました。

ホルヴィラップとは「深い穴」という意味で
聖グレゴリオスが１３年も捕らわれていた　牢獄のことです。
当然ですが　当時ここには教会はありませんでした。

時の王　トリダテス３世は重い病気にかかり
妹の忠告で　捕らわれていたグレゴリオスを解放したところ　
病が癒えたことから　キリスト教に帰依し　
３０１年にキリスト教を　国教と決めたのです。

ホルヴィラップ修道院は　城塞としての機能を持っていたため
堅牢な城壁に囲まれています。

城壁の内側の中央に　黒っぽい石と赤茶の石で
造られた聖堂があります。　当時の教会は　十字の形をしていました。
入口の黒い部分が　後からつけ足したように見えます。

聖グレゴリウスが閉じ込められていた　地下牢は
この建物の下にあります。　ほぼ垂直な穴を降りて　見ることができます。

聖堂の内部です。
壁面が黒っぽく
煤けているようにも
見えます。
祭壇との境に
カーテンが見えますが
正教会に必ずあるはずの
障壁（イコノスタシス）
はありません。

雪を被っているのが　大アララト山　左手が小アララト山です。
ほんの少し先　緑の畑地がアララトの広い裾野に変わるところにある川が
　トルコとアルメニアの国境です。トルコとアルメニアは　
隣国でありながら　現在　国交がなく　直接行き来ができません。

7世紀に　巨大な円形の聖堂が造られました。
しかし、高さ４５ｍもあった聖堂は　９３０年の地震により倒壊してしまい　
以後　埋もれたまま忘れられていました。
１９００〜１９０７年に発掘調査が行われました。

円柱で囲われた　４つ葉の形の広い空間が中央にあり
その外側を円形の壁で囲うような　めずらしい造りになっています。
その　特殊な構造であったことも　崩壊の原因になったと考えられます。

半円形の石壁になったところが　祭壇でしょう。
隣接した所に　居住区域やワイナリーが見つかっています。

６１８年に造られた　フリプシメ教会は
ローマ皇帝ディオクレティアヌスの求婚を拒んで　殉教した
聖フリプシメを　祀っている教会です。

ローマ皇帝の求婚を拒絶した　フリプシメを　
死に追いやったのが　ホルヴィラップ修道院でも登場した　
トリダテス３世です。　
それが原因で　彼は重い病気になったと言われます。

聖フリプシメの棺が
教会の地下の
小さな部屋に
安置してあります。
その棺の上には
フリプシメの絵が
描かれています。
皇帝から
求婚されるだけに
かなりの美女に
描かれています。

エチミアジンの大聖堂は　アルメニア使徒教会（正教会）の総本山で
アルメニア最古の教会です。４世紀初めから建設が始まり
現在まで　増築が繰り返されてきました。
２０００年に世界遺産に登録されました。
エチミアジンとは「神が降臨した場所」を意味しています。

あいにく 訪れた時には　外装の修復工事が続いていました。
広い敷地の中には　神学校や　印刷所　図書館などの建物があります。

周りの櫓がないと
こんな姿をしています。
工事現場の
ポスターを
写してきました。

聖堂入り口の装飾は　天使なども描かれていますが
その細かさはイスラムの装飾に似ています。

内部のドームやアーチの部分にも
イスラムっぽい印象を持ちました。

キリストや
聖母マリアの肖像
イコンではなく
金を多く用いた
模様が堂内を
埋めていました。

エチミアジン大聖堂の広大な敷地の入口には
モダンな　門が造られていました。　門の内側には説教壇のような舞台があり
その前は　多くの人たちが集まれる広場になっています。

同じ敷地内に　新しい礼拝堂がありました。

これもまた　新しい礼拝堂でしょうか。
内部は円筒形のままの空間で　中央に祭壇が造ってありました。

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